你好!台灣
你好、デザイナーの新田です。
森社長と次山さんにご相談をしていた昨夏から昨日まで約8ヶ月。
その間には国内外における法的なものを含む諸々の手続きを多くの方の力と時間を頂戴して……
僕は今、台湾にいます。
『台湾モデル』と言われる防疫システム
2020年1月20日に中国が初めて新型コロナウイルス感染拡大を公式に認めましたが、
台湾はその前年の12月31日の時点でCDC(衛生福利部疫病管制署)が独自に武漢での異変を察知、
同日中に武漢からの航空便検疫を開始しています。
こうした迅速かつ的確な危機管理と法的な強制力を持つ徹底的な処置が講じられる
今現在も続く『台湾モデル』と言われる防疫システムは、
2002〜03年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)がキッカケと言います。
そんな台湾から2022年2月24日、待ちに待ったニュースが飛び込んできました!
国内外の感染状況が安定し始めたことと経済活動や防疫が考慮され、
「2022年3月7日午前0時より非台湾籍のビジネス関係者の入境を緩和する」と
CECC(台湾中央流行疫情指揮センター)が発表したのです。
いざ、台湾へ!
また何時どのように情勢が変わるか分からない中、
ビジネス関係者の入境緩和というこのタイミングは “絶対に”逃せない! と
ビジネスビザを始めとした渡航に必要な国内外への提出書類作成と確認、
渡航に必要な防疫関連の「PCR検査の陰性証明書」や「台湾政府指定隔離ホテルの予約」、
自身の業務や生活に必要な「国外運転免許」の取得、月額基本料金を無料にする携帯キャリアへの契約変更、
使用する全デバイスに VPN(※)のインストール、携帯する常備薬や体温計の購入に至るまで
渡航に際して公私に必要な大小の全てをリストに書き出しました。
※:Virtual Private Networkの略/暗号化通信を行い、オンラインプライバシーとセキュリティを守るシステム
同時に台湾への渡航を希望する、
環境も条件も異なる企業に勤める方や語学留学の学生さんといった方々の
ウェブサイトやSNS、時にグループLINEといった場で交わされる情報を元に
自社の台灣辦事處(代表者事務所)に勤務する人間として自分なりに多角的に精査、取捨選択しながら、
入境緩和が発表された日よりちょうど3週間で渡航を実現させることが出来ました。
僕が今後の活動の拠点としている台中市へ向かう前に、
台灣辦事處設立に際してご尽力いただいた手続き代行会社の方と一緒に
居留証(台湾地域の長期または永住者に発行される身分証明書)の取得と
法人の銀行口座と普段の生活で使用する僕個人の銀行口座を台湾の銀行で開設するため、
まずは台北へ向かわなければいけません!
引越の船便に入れることのできない貴重品や業務で使用するPCや各種デバイスと共に
隔離期間と自己健康管理期間となる計17日間に使う衣類と身の回りのものを詰め込んだ2つのスーツケースを手に、
コロナ以前には考えられなかったであろう全て休業しているフードコート、
免税店やロビーにもほとんど人がいないという閑散とした福岡国際空港から
今年2月17日に福岡〜台北線が新たに開設された〈スターラックス航空〉で桃園空港へと向かいます。
飛行機内のCAさんたちもそうでしたが、
桃園空港のグランドスタッフさんたちも厳重に防護服を着用しています。
コロナ禍前は多くの海外旅行者で賑わっていた到着ロビーにも入境者のための専用レーンが作られ、
当然のことながら携帯通信会社やレンタカー会社などのカウンターは休業していました。
空港内で行う防疫の主な流れとして……
1)台湾での携帯番号(SIMカード)の購入
2)新番号で取得した番号から台湾政府の検疫専用サイトへアクセス
3)同サイトでパスポート番号と健康状態を確認・入力、SMSより送付された個人を特定するバーコードの発行
4)新型コロナウイルス抗原検査キット(内容:当日空港内で使用する1つ/5日分のキット同梱のボックス1つ)の受け渡し
5)入国検査を受けた後に預け荷物の引き取り(僕はこの間で、持ち込んだ植物の検疫検査と両替♪)
6)屋外の専用スペースで唾液によるPCR検査の実施と全身消毒
これら全て英語もしくは中文、時に日本語で指示されながら進行していきます。
(ご注意ください) 本ページに掲載されている内容は、2022年3月17日時点の桃園空港における一例です。 全ての国や地域、および空港での検疫と同一の内容ではありませんので、 渡航前に、渡航される場所での対応を必ず自身でご確認ください。 |
他の道へ逸れることがないよう道々にはスタッフさんが誘導し
またトイレについても1人が入るとその後すぐに掃除と消毒がされるという、
日本国内での空港では感じることのなかった(あくまで個人的な印象ですが)少し緊迫感のある
防疫に対する徹底した対応を見られました。
これまでは桃園空港から台北市内へというと、観光ガイドブック片手に
《台北MRT(エム・アール・ティー)》と呼ばれる鉄道で風景を眺めながら移動していたのですが、
今回は検温と全身消毒後に事前予約した台湾政府指定隔離ホテルへ専用タクシーで直行となります。
空港からホテルまでは通常「1,350元(TWD)」のようですが(降車時にメーターを確認)、
専用タクシーでは上限価格を「1,000元」とされているようです。
ホテルに到着すると、地下駐車場内の専用スペース内で再度の検温と荷物を含む全身消毒の後、
幾重にもビニールでコーティングされたエレベーターで指定された部屋へ移動します。
(乗車したタクシーもその場ですぐに消毒処理していました)
ホテルスタッフとも一切接触しない10日間のため、
ペットボトル入りの飲用水やティッシュ、アメニティなどの
隔離対象者に必要なもの全てがパッキングされており、
日に3度の食事(お弁当)は定時にドアの外に置かれた発泡スチロールのボックス内に置かれます。
想像はしていましたが……、シーツの換えは行われずタオルは各自手洗いとなるようです。
多くの人を魅了する土地で
自分が好きな土地で仕事をし、そこで生活が営めるということは本当に幸せなことだと思います。
シンクメディアのメンバーや家族、周囲の友人たちに背中を押してもらいながら、
やっと、ここ台湾で一歩を踏み出すことができました!
この隔離期間も良い経験に、これまでの自身の行動が未来の礎になると信じて
仕事に、時に遊びに、目一杯楽しもうと思います。
同時に、全世界にある国際空港に旅を愛する人たちの熱気と活気が
一刻も早く溢れ戻るようにと願うばかりです。
……ところで、いろんな場所で「あなた、台湾人ですか?」と聞かれるのですが
僕ってそんなに台湾の人の顔つきですかね?(笑)