リチャードソン・チェスト・フライボックス取得のお知らせ
こんにちは。シンクメディアのフライフィッシング担当、次山です。釣りで使う道具についての記事を書きました。
歴代の大統領も愛用した歴史あるフライボックス「Richardson Chest Fly Box」をプレゼントしてもらった。
この金属製の箱はペンシルベニアの小さな工場にて、手作業で組み立てられていて、
現在、注文から手元に届くまで何と一年半ほどかかる貴重なものである。
フライフィッシングと呼ばれる釣りの手法があって、 これは糸の先端に「フライ」と呼ばれる、虫に似せた毛鉤を結わいて釣るものだ。
僕の場合、渓流や湖で主にトラウト(鱒)と呼ばれる魚を狙っているわけだが、 この魚がとても口にする餌の好みにうるさく、
目にする餌が気に入らなければ全く興味を示さない。
例えば真冬の雪の降る日に、大きなバッタを投げ込んだとしても、彼らの直感は、あるいはゆっくり思考を巡らせた後でも、その影にさっぱり反応しないのだ。 まるで真冬に誘われた夜空の下のかき氷デートに見向きもしない丸の内OLのように。 僕らはよくこんな魚に向かって「とてもピッキーな魚だな」と言ったりする。
上手にトラウトを釣り上げるために、そこで僕たちはフライを交換する。 少しでも興味を持ってもらうために、少しでもYesと言ってもらえる確率を高めるために、 地域や季節によって変化する、餌となっている虫を的確に見定め、 その場所、その瞬間に相応しいフライを用いてトラウトに問うのだ。 時々、僕らに対し「過敏になり過ぎだ」と、心ない言葉を投げかける現実主義者(多くの場合、配偶者や恋人)に出くわすが、 少なくとも我々は、このトラウトの知性を信じ、期待し、楽しんでいる。
故にフライフィッシャーは様々な種類のフライを持ち運ぶ必要があり、 僕はこの「リチャードソン・チェスト・フライボックス」を使うことになったのだ。 たとえ野山や沢で前のめりに転倒した際、金属の角が肋骨や胸骨に致命的なダメージを与える危険性をはらんでいようとも、 僕はこれを胸にぶら下げ、箱の中身に目を細め、フライを取り出す。
アメリカの小川で「リチャードソン・チェスト・フライボックス」をぶら下げている孤独なアジア人を見つけたら
それはきっと僕だ。
2020年4月21日に追記
僕のフライボックスは「George Harvey Signature Edition」です。その他にも「Joe Humphreys Series」と、それぞれペンシルベニア州の偉大な釣り人の名前がつけられています。
僕のワイフのフライボックスも到着しました。「Original Style」と呼ばれるものです。