[2021版]テレワークを実施して1年 – その問題は本当にリモートが原因なのか?を考える
こんにちは。
シンクメディアの森です。
新型コロナウイルス感染症の影響により、最近ではテレワークを導入している企業が大手だけではなく、中小企業に至るまでかなり増えたように思います。
東京都が発表しているデータでは、東京都内の従業員30人以上の企業のテレワーク実施率は、2021年5月の調査で64.8%だそうです。
300人以上(64社) | 実施している | 82.8% | 今後予定あり | 4.7% | 実施予定なし | 12.5% |
100-299人(101社) | 実施している | 68.3% | 今後予定あり | 11.9% | 実施予定なし | 19.8% |
30-99人(295社) | 実施している | 59.7% | 今後予定あり | 8.8% | 実施予定なし | 31.5% |
参考:https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/06/03/03.html
弊社も昨年の3月から試験的に運用し、完全リモート体制に移行してから、1年ほどが経過しました。
フルリモートにした当初は、色々とうまくいかないことも多く、自分たちらしい最適な働き方を模索してきましたが、今では作業効率も上がり、とてもいい感じです!
弊社では結果テレワークを採用していますが、僕は別にテレワークを推奨しているわけではありません。実際テレワークにはいい部分と悪い部分がありますし、業態や企業文化によっては向いていない会社もあると思います。
ただ、この機会に自分たちらしい最適な働き方を探すことに大きな意義があり、今までの「当たり前に出社して、会社で仕事をする」ことが、本当に自社に合っているのかを見直すいいきっかけになればいいと思っています。
■テレワークのメリット・デメリット
では、テレワークのメリットとはなんでしょうか?
・通勤時間の短縮
・通勤費やオフィスコストの削減
・多様な人材の確保・活用
・場所を選ばず仕事ができる
・子育てや介護をしながらでも働きやすい
・ワークライフバランスの実現
などがよく言われています。
逆にデメリットとしては
・セキュリティーの管理
・勤怠管理の複雑さ
・モチベーションの維持
・コミュニケーションの問題が起きやすくなる
・作業環境の確保
・業務態度が見えない
などが挙げられます。
今回は元々は急を迫られてテレワークに移行した会社も多かったかと思います。
僕の周りでも、昨年の緊急事態宣言を機にテレワークに移行した会社は多いのですが、やはり、テレワーク時代の「マネジメント」と「コミュニケーション」の問題はよく話題に上がります。
なぜテレワークだとうまくいかないのか、
自分なりの考えを話していきたいと思います。
■本当にそれはテレワークの問題なのか?
自分たちも含め、テレワークを導入した当初、
同時期に導入した会社の経営者や管理職の人たちと話していると、
・やっぱ遠隔だと、いまいち指示が伝わらないよね。
・相手が何考えてるかわからなくて困る。
・裏で何しているかわからない。
・場の雰囲気が出ないからさ。
・熱意がいまいち伝播しないよね。
・仕事へのモチベーションがどんどん低くなってく。
・集中して仕事をしているかどうかわからない。
のような話がよく出ていました。
僕らも完全テレワークに移行した当初、進行が難しいなと感じることや、うまく伝わってないなと思うことが沢山ありました。実際にコミニュケーションのミスで1日の作業が無駄になったり、確認ミスや感情のすれ違いも多く、やっぱりその場にいないとフォローができず難しいなと思っていたのですが、しばらく遠隔でのやりとりをしていて気がつきました。
「あ、これテレワークとか関係ないわ…」
まず言えるのが、自分も、そしてみんなもリモートでのコミュニケーションに慣れていないから起きる問題が多いということです。
テレワークを前提に、
要点をまとめて、丁寧に説明すれば、だいたい伝わります。
画面共有で同じ絵を見ながら話せば、
イメージも伝わります。
自分自身が楽しく話せば、
普通にいい雰囲気になります。
問題なのは場所じゃなくて自分なんだなと。
これは、もちろん僕自身の「自分」でもありますし、
スタッフ一人一人の「自分」です。
話す人、聴く人、それぞれが人任せにしているとうまくいきません。すごく当たり前のことですが、これが意外とできていないんですよね。
モニター越しのコミュニケーションだから、お互いに笑顔をより意識する。
認識の違いが起きていると困るから、お互いに確認作業をしっかりとする。
その場にいないと空気感がわからないので、優しく丁寧に話す。
当たり前と言えば当たり前のことなのですが、僕たちが今まで培ってきたコミュニケーションは対面前提でのコミュニケーションなので、リモート前提でのコミュニケーションに意識を切り替える必要があるのだなと。そのことを全体ミーティングでしつこく皆と共有し、リモートに合わせたコミュニケーションを意識することで、テレワークだからといってそんなに問題は起こらないようになりました。
個人によって理解度も違えば、経験・知識・感じ方、好きな言葉も嫌いな言葉も違う。
僕らは日常的にそんな曖昧な理解のまま、人とやりとりをしているんですよね。見えないからこそ今までよりも相手のことをイメージし、その人をより意識するようになったと思います。
■問題がより顕著に現れる
そして、もうひとつ気がついたのは、テレワークという働き方によって、元々あった問題がより顕著になり、さらに加速させるということです。
もともとコミュニケーションに問題がある場合は
遠隔だとより問題が起きやすい。
もともと自己管理が苦手な場合は、
遠隔だとよりずさんになりやすい。
もともと物事への理解が苦手な場合は、
遠隔だとよりズレた理解になりやすい。
リモートに移行し起きる問題の根本は、元々抱えていた問題が殆どで、それがよりわかりやすく出てきてしまう。これはプレーヤーにもマネージャーにもチーム全体にも言えることで、簡単に解決できる問題ではありません。でも、この部分を解決しないとどんなツールを導入しても根本的には解決しないのではないか…と思っています。
僕自身、今回のリモートワークによって、改善したい問題が幾つも見えてきました。そしてそれが明確化したことで今まで後回しにしていた問題へ取り組むいい機会になっています。まぁ、この問題に関しては、もうひたすらに向き合って解決していくしかないので、現在進行形で取り組んでいます。
■今までの当たり前を見直すいいきっかけにする
長々と話してきましたが、実際、かれこれ1年ほどテレワークにしていますが、最近は正直、かなり仕事しやすいです。
・通勤時間がないこと。
・1人で仕事に集中できること。
これだけでも全体の作業効率が上がっているように思います。
実際オフィスでは平均7分に一度は、何かしらの外部からのアクションで集中が切れると言われています。1人で深く考えたり、集中して作業を進めるという意味においては、通常のオフィスは最適化された環境ではないのかも知れません。
ただやっぱり、定期的にその場で顔を合わせたコミュニケーションも必要だなとも感じます。
僕たちは、日常のなんでもない話や、仕事に取り組む姿勢、考え方など、その場にいることで人から学んでいることが沢山あります。そういった機会が失われていることは、テレワークの大きなデメリットだと思います。
でもきっと、今はまだ最善解が見つかっていないだけで、これらも解決する方法があるのでしょう。
今回、自社におけるテレワークの最適化を考えることで、テレワークに限らず、会社の在り方、業務フロー、採用、人事評価、営業、事務所の必要性についてなど、今まで当たり前になっていたことを改めて見直すいいきっかけになりました。それだけでも十分価値があったと実感しています。
そして改めてシンクメディアにとっての理想の働き方を意識しました。
僕らが目指すは「世界中、どこでも好きな場所で、好きな人たちと仕事ができる」チームづくり。
少しづつ実現していっていますが、今回のフルリモートによる業務の見直しで、より現実的にイメージすることができました。
皆さんはこれからの働き方について、どうお考えですか?最後までお付き合いいただけたということは、同じ問題を抱えていたり、同じ空気感の方なのかも知れません。
もし感想などありましたら、聞かせていただけると嬉しいです。
それでは、またの機会に。
シンクメディアTVでもテレワークについて話していますので、よかったら見てください!